2017
10.05
10.05
めぐみさん53歳 横田夫妻「今を思い描けず」 解決へ政治家の本気度切望
10/5(木) 7:55配信
昭和52年、北朝鮮に拉致された横田めぐみさん=拉致当時(13)=が5日、53歳の誕生日を迎えた。老いや病と闘いながら再会を切望する両親、滋さん(84)と早紀江さん(81)は、北朝鮮の核・ミサイル開発で極限まで高まる緊張の中、ギリギリの希望をつないでいる。
「めぐみちゃんの姿は13歳で止まったまま。今を思い描くことができないのが本当につらい」。誕生日前日の4日、早紀江さんは声を震わせて語った。「めぐみが誰だか分かる状態で、一目で良いから会いたい」
最近は日常の中にめぐみさんの“痕跡”を探すことが多くなったという。めぐみさんが大好きだった花々や歌。こどもの日に一緒に飾ったおひな様、浴衣を着せた夏祭り-。「一年中、いろいろな場所でめぐみの姿、足跡を感じるんです」
横田夫妻には今、救出運動の最前線で闘い続けた疲労や老いがのしかかる。滋さんは思うように言葉が出ず足腰が弱った。早紀江さんも持病を抱えつつ滋さんのサポートなど多忙な日常に追われ、2人が公の場に立つ機会は極端に減った。
こうした中で朝鮮半島情勢は緊張と混迷を極める。「あまりの不安でめぐみの誕生日を祝う心の余裕がない。こんなことは初めてです」。一方、日本は事実上の選挙戦に突入した。「本心から国を思い、拉致を解決する政治を実現する本気度を見せていただきたい」。早紀江さんは力を込める。
「明日、誕生日なんだね…」。滋さんは寂しそうに、一言を絞り出した。