2016
08.31

『1・5兆円近い膨大な積み荷を乗せたまま世界を漂流する韓国のコンテナ船』

世界経済

 日本だけではなく世界のメディアは北朝鮮のミサイルや核実験で大騒ぎしているが、韓国の海運最大手、韓進(ハンジン)海運が倒産したことにより、米国をはじめ世界各国で物流がまひ状態に陥っている。
 コンテナ船78隻を含め韓進海運の船舶92隻が現在、目的地である外国の港湾で貨物の荷役作業ができず、海を漂っている。足止めされている貨物はおよそ140億ドル(約1兆4400億円)規模で、このうち約90%は外国からの注文貨物。とりわけ11月に行われる米国最大のショッピングセール「ブラックフライデー」を控えた現地の各企業は大混乱。年末のクリスマス商戦の準備のために今が一番大事な時期に倒産した韓国の韓進海運は以前から大幅なダンピングを行ていて世界の海運業界から顰蹙を買っていた。
 不当に安すぎる運賃で、運べば運ぶほど赤字が膨らんでいたのですから倒産自体は何の不思議もないが、なぜ、破滅を先送りするだけの、このような無茶苦茶な商売が今まで続いていたのかの方が余程不思議である。(破綻を先送りすればするほど余計に破綻時の損害額が天文学的に積み上がっていった)
 倒産した韓国の韓進(ハンジン)海運は今まで船のリース料や燃料代などの用船費用を下回る格安の運賃で世界中の顧客を確保していた。(この韓進海運とは、ナッツ姫で世界的に有名になった大韓航空と同じオーナー株主だった)
 ところが、倒産した韓国のハンジン海運と同じことがオバマ大統領が推奨していたアメリカのシェールガスにも言えて、採掘する経費が1バーレル当たり60ドルから80ドルもかかるが、今の石油価格は40ドル台にとどまったまま。確実に『逆ザヤ』になっている。
 石油を掘れば掘るほど大損をするので倒産は、単に遅いか早いかの『時間の問題』なのです。
 この事実は銀行が一番知っているのでシェール企業には金を貸さないので仕方なく高利の社債を発行して採掘資金を捻出しているが、リーマンショックの引き金となったサラ金とネズミ講が合体したような最後には破綻が約束されているサブプライムローンの二番煎じ。
 アメリカによる国家ぐるみ偽装による、まるっきりの金融詐欺なのですから悪質である。(1バーレル当たり100ドル以上の高価格でないと営利企業として成り立たないが、石油価格が高騰する兆しさえないのが現状)