2017
06.24

自動車は“走る電子レンジ”(1)

Topic, ハイブリッドカー

 自動車は、ガソリン車であっても実は免疫力低下、眠気、注意力低下など、電磁波の悪影響が集中している“走る密室”である。ハイブリッド車や電気自動車となると、その電磁波は当然ガソリン車を上回る。
 自動車に乗り込むのは、“金属でできた押し入れ”にもぐり込むようなものである。ただでさえ電磁波被ばく量が多くなる閉塞空間という特殊な環境である。
 そしてカーナビ、エアコン、ステレオといった付加的な電装品からの電磁波もさることながら、今日の自動車の多くはほとんどコンピュータ制御である。そもそも床下の高出力のエンジン、モーター、バッテリーからの強烈な電磁波、磁界および外部から伝播する高周波電磁波がコンスタントに存在する。

 密閉した金属の箱 である自動車の車内では、電磁波、特に高周波電磁波が乱反射して増幅するため、自動車は“走る電子レンジ”とも言える。

 特に 走行中の車内でのスマホの使用 は自殺行為に等しいとまで言われている。なぜならば、車内で使用中のスマホ(や携帯電話)は、移動しながら電話が途切れないように必死に次の基地局アンテナをさがすために、路上での通話よりも何倍も電波が強くなるからである。

 見た目には最新鋭の居住性抜群の車内であっても、あらかじめ万全の電磁波対策を施している自動車はまだまだ少ないというか、現実にはほとんど不可能であるのが実態である。

 低周波の電界や高周波の電磁波は金属や人体、コンクリートなどで余裕で遮断できるが、低周波の磁界は鉄板でも難なく透過してしまう。

 そして上記3つのうち、発がん性の可能性が最も確実と言われているのが、この低周波磁界である。

 いくらシールドをしても、プリウスの車内後部座席が100ミリガウス(安全値は1ミリガウス以下)を超えているというのも当然である。現代の技術では低周波磁界の完全な遮断は不可能である。そのリスクを避けるいちばんの方法はとにかく離れることである。つまり乗らないことである。

 プリウスであれ、レクサスであれ、ポルシェであれ、見た目の快適さとは裏腹にどれも電磁波的には“静かなる処刑台” である。電磁波的対策を何ら施していない車に日常的に乗るのは、浄水器を付けていない蛇口からいつも水を飲んでいるようなものであり、肉類をいつも加熱しないで食べているようなものであり、真夏の炎天下に帽子もサングラスもなしに毎日歩いているようなものである。自動車の電磁波は、これらすべてを合わせたよりもずっと有害で危険である。

 水も肉も太陽も目に見えるが、電磁波は目に見えず、ふつうのひとにはほとんど知覚できないものである。自分がこうむっている不可逆的な健康被害に対策を講じるのは冷静にその危険を知ったときである。気づいた時からでも遅くはない。

 参考までに現場の技術者の話を聞いてみよう。

以下“青字”はすべて引用であるが、“太字”は引用者による。http://www.customerwise.jp/jirei-sample/mazda-sample.htm

(株)マツダE&Tは、主にマツダ車両の研究開発を行う、マツダ(株)の100%子会社
― クルマの電磁波解析と、家電など一般電子機器の電磁波解析との違い(クルマならではの点)を教えてください。
 私見ですが「大きいこと」が違いになるでしょう。 単純に云って、テレビや冷蔵庫よりもクルマの方が巨大です。 巨大である分、シミュレーションの際にメッ シュを切る量が多くなり、計算量が多くなります。また、クルマに搭載されている非常に多くの部品を、高精度でモデル化するには、細かいメッシュが大量に必要です。一個の部品のシミュレーションを行うだけなら、極論すればフリーソフトウエアでも可能です。しかし、多くの部品が搭載されたクルマの「全体の電磁波状況」を知ろうとする場合、計算量は膨大になります。

“テレビや冷蔵庫よりも車の方が巨大です。” と言っている。技術者らしい非常に率直かつ明快な回答ではないか?“大きい”では言い足りず、“巨大です”とまで言っているのだ。そうだろう。冷蔵庫や洗濯機のモーターには1~2トンの重量のものを時速100km以上のスピードでビュンビュン移動させられるようなパワーはまったくない。それでも家庭内の電磁波源として問題になることがある。家庭用大型冷蔵庫とふつうの自家用車を比べると、発生している電磁波の比率は、1:1000 以上になるだろう。これが“巨大”の意味である。家電製品に比べると、自家用車は“産業用レベル”と言える。

 そもそも自動車はその内部で立つこともできないほど小さな“金属製の押し入れ”である。日常的に出入りする部屋の中で最も天井の低い、最小の部屋ではなかろうか。ドライバーや乗客・家族は、“巨大な電磁波源”に至近距離にならざるを得ない極端な閉塞空間 に文字通り“縛り付けられて”運ばれながら、大量の電磁波を被ばくし続けることになる。自動車は、その“巨大な電磁波源”である動力機関と、乗る人間との“近接性”だけをとってみてもすでに極めて危険な“押し入れ”なのである。 

 つまり、ドライバーは自分の車に向かって歩きながら、自分の車から放射している特定の電磁波に被ばくすることによって、実に“スマート”に自分の車に乗り込めるというわけである。しかし、そもそもこの電磁波を使う “キーレスエントリー” なるものは必要不可欠なものであろうか?全然そんなことはない。これはドライバーに、幼稚な “技術的優越感” を与えるための子供じみた仕掛けにすぎない。無くて困るものでは全然ないのだ。ふつうにカギを差し込んで回せばいいだけのことだ。違うだろうか?

 車が自動的にドライバーの前に来てくれるのなら “キーレスエントリー” も多少意味があるかもしれないが、そうでなくて、けっきょくドライバー自身がドアの前まで来るのなら、どれだけの意味があるのか?

 

 もともとクルマは、エンジン(内燃機関)やハンドル、ギアなどで動作する機械制御の乗り物です。30年前のクルマにおいては、電装品は、ラジオやカセットぐらいしかなく、電磁適合性はそれほど重視されていませんでした。  “電磁適合性” とはわかりやすくいえば、“電磁波の危険性に対する安全対策” であるが、自動車業界の技術者の間ではこのわかりやすい表現は使ってはならない“タブー” である。  しかし、時代と共に、クルマの中にはETC、カーナビなど電装品が増えてきました。窓の開閉も手巻きから、モーター動力のパワーウインドウに変わり、スピードメーターも針が動くアナログ式から電子デジタル表示に変わり、今やエンジン始動さえもスマートキーレスエントリにより電子的に制御できます。  また外部のアクセサリ的な電装品だけでなく、クルマの動作に関わる根幹部分、例えばエンジンの燃料噴射量の調整やブレーキ制御においても、徐々に電子制御(コンピュータ制御)が浸透してきました。今やクルマの内部には数十個ものコンピュータ(CPU)が存在しており、内部の電気配線は、真っ直ぐ伸ばせば全長数キロにも及びます。  カーナビ、キーレスエントリ、ETC、オーディオ、メーターなどクルマには多くの電装品が搭載されている。  このようにクルマの中で「電気仕掛けの部分」が増えていくにつれ、電磁適合性の確保もまた重視されるようになりました。  また外部のアクセサリ的な電装品だけでなく、クルマの動作に関わる根幹部分、例えばエンジンの燃料噴射量の調整やブレーキ制御においても、徐々に電子制御(コンピュータ制御)が浸透してきました。今やクルマの内部には数十個ものコンピュータ(CPU)が存在しており、内部の電気配線は、真っ直ぐ伸ばせば全長数キロにも及びます。  カーナビ、キーレスエントリ、ETC、オーディオ、メーターなどクルマには多くの電装品が搭載されている。  このようにクルマの中で「電気仕掛けの部分」が増えていくにつれ、電磁適合性の確保もまた重視されるようになりました。

(くまチューブ)