2017
07.16

「リッチスタン」とは何か(25)

リッチスタン, 世界経済, 日本経済

日本と世界の情報ブログより 2017-07-11 11:13:46
(25)アメリカの傀儡「自民党」は国賊試験である!
 アベノミクスが成功したという割には一向に豊かさが見えてこない。全国各紙が国民の意識調査をしても7割以上の人が景気回復を実感できないと答えている。一方、2016年4月12日時点の、社員300人以上の大企業の正社員の定期昇給とベアを合わせた「賃上げ率」が2・07で、過去最高レベルの賃上げが続いた。しかし、勝ち組の大企業や中堅企業がアベノミクスの恩恵を受けただけで、そのごく一部を社員に還元しただけである。特に大企業は大半の利益を「内部留保」に回し、将来の蓄えと称して社会に還元せず、結果、2014年で2%の賃金上昇を達成しても、日本全体の「名目賃金」は前年比で0・8%の状態で、持ち家の帰属家賃を除く「総合的消費者物価指数」は3・3%も上がった。その結果、「実質賃金」は2・5%も上がったのである。
 つまり、アベノミクスによって、「大企業勝ち組VS中小企業負け組」の差がさらに拡大する結果になった。それゆえ、日本規模で見た場合、格差が拡大し、一向に豊かさが見えてこないことになる。それに対する安倍首相は、2016年3月7日の参院予算委員会で「経済の好循環は確実に生まれている。アベノミクスが失敗したなどと言う言説は全く根拠がない」とする持論を展開した。
 安倍首相の経済音痴は昔から知られており、それでも経済で胸を張る根拠があるなら、安倍政権を支えるシンクタンクがそう言うふうに言わせているからである。そのシンクタンクは、アーミテージの「戦略国際問題研究所」とつながっている。なぜなら、安倍内閣はアーミテージの言うなりだからである。異次元の「超金融緩和」で少しずつ物価は上昇しつつあるが、同時に進む「円安」で生命線である輸出が伸びず、逆に輸入品の値上がりが家庭の台所を直撃している。
 ブラック企業・ブラックバイトが増える中、実質賃金が下がり、来るべき「消費増税」の影響も加わり、消費は一向に伸びない。一部に業績が回復した企業もあるが、それを盾にする成功論は詭弁である。
 2016年3月、アベノミクスは成功か失敗かの意識調査を見る限り、「失敗」は61%、「成功」は26%と言う結果が出た。
 日本共産党は2014年度の「連結経常利益」が50億円以上を対象に、12年度と比べて利益が増加した日本企業830社について調査し、「有価証券報告書」で集計した結果を発表した。
 日本の上場企業の株式の30%以上は海外投資家が保有し、「東京証券取引所」の株取引も70%以上が海外投資家である。その多くが短期利益を狙う「投機」で、日本経済の成長を支える「投資」ではない。いわゆる「ハゲタカ」である。 アベノミクスは海外マネー流出のために「法人税」を減税し、日銀に「金融緩和」を実施させ、「公的年金資金」まで株投資につぎ込んで株価の釣り上げに躍起になっていた。
 そこに来て世界の大問題「パナマ文書」が公開されたが、安倍内閣は「文書の詳細は承知していない。日本企業への影響も含め、軽はずみなコメントは差し控えたい」とし、日本政府として文書を調査する考えがないとコメントした。もし調査したら、自民党の消費増税10%が破壊されるからである。大企業保護と合法的脱税の損失分を消費税の大増税で国民全体から徴収しようというのである。これがアベノミクスの正体である。大企業の巨万の利益は国民に還元されない。つまり、小泉・竹中政権が主張した、トリクルダウン理論の看板を変えて規模を拡大させただけである。スーパーリッチが台頭し、租税回避地「タックス・ヘイブン」が常識化する現実社会に対応する思想ではない。竹中平蔵が指示した嘘の先にあったのは、富める者はさらに富、貧しいものはさらに貧しくなる社会で中流層を消滅させるのが小泉・竹中政権の目的だった。事実、アメリカも日本も急激に中流層が消え去り、1%の超支配層が、99%の非支配者層を牛耳る社会へと加速している。