10.25
ISの外国人戦闘員 5600人が出身国に帰還か
10月25日 10時00分
アメリカのシンクタンクは、シリアとイラクで過激派組織IS=イスラミックステートに加わった外国人戦闘員のうち、少なくとも5600人がこれまでに出身国に帰還したとする推計を発表し、今後、各国でテロを起こすおそれがあるなど、治安上の脅威になるとして警鐘を鳴らしています。
アメリカのシンクタンク「ソウファン・グループ」は24日、各国政府の発表などを基に、過激派組織ISの戦闘員の動向をまとめた報告書を発表しました。
それによりますと、シリアとイラクでISに加わった外国人戦闘員は4万人余りに上りますが、両国での軍事作戦でISが領土の大半を失ったことなどを受けて、少なくとも5600人がすでに出身国に帰還したと推計しています。このうち、最も多いのはトルコの900人で、続いて北アフリカ・チュニジアの800人などとなっています。
報告書では、帰還後当局に拘束されず行方がわからない元戦闘員の中には、テロを起こすおそれがある者もいるとして、「これから数年間、多くの国にとっての脅威になる」と警鐘を鳴らしています。
また、中には自国に戻らず、東南アジアなどの第三国に転戦するケースも出ているということです。さらに、戦闘員の妻や子どもについてもISに洗脳されているおそれがあるため、精神的なケアや社会復帰を促すための仕組み作りが課題になると指摘しています。
国別の帰還戦闘員数
ソウファン・グループの報告書によりますと、帰還したISの戦闘員の数は、国別に次のように推計されています。
最も多いのが、シリアとイラクのどちらとも国境を接するトルコの900人で、続いて2番目がチュニジアの800人、3番目がサウジアラビアの760人、4番目がイギリスの425人、5番目がロシアの400人などとなっています。
また、シリアから戻った戦闘員や、ISの支持者などによるテロが相次いでいるEU=ヨーロッパ連合では、合わせて1200人が帰還したと見られています。