2017
10.15

食品添加物はキケンではない。菓子パン「有毒説」に科学者が猛反論

食の安全, 食品添加物


菓子パンなどで使用されている食品添加物は「危険」とする意見に対して、無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』の著者で科学者のくられさんが猛反論しています。くられさんは、一部の何も知らない人が話を拡散し、正しい知識を持つ人が反論しようにも収拾がつかない事態になってしまっている、と怒りをあらわにしています。

フードホラーやインチキ健康情報に惑わされないために

相も変わらずフードホラーの記事がネットを賑わせております。添加物の危険性については以前書いた記事でも見て頂ければ…という感じなのですが

● 「コンビニパンは危険」は間違い?「食品添加物は危険」のウソ、毒性誇張のまやかし

このように大丈夫っすよ、気にするべきは添加物ではなく栄養面という地味な話をいくらしたところで、××という化合物は発がん性! みたいなウンコ記事のほうが目立ちますよね。

そして意識高い何も知らない人がさらにそれを拡散し、デマのように有象無象に広がってえらいことになってるわけですが、この手の問題は1つ1つ反論したり、問題点を指摘しても、相手は、そもそもデタラメなので言いたい放題、それに対してきっちり問題点を調べて、ここがおかしいとか、ここが間違っているとか指摘するのは労力もハンパないですし、多くの偉い先生方がそうしたウンコの始末をするというのは、本来なら人の生活を豊かにできる有能な人物の時間を奪い、しかも何も残らないという不毛以外の言葉が見当たらない物です。

書きちらかす方はなんせ出任せですから低労力で拡散力もあるとかもはやうんざり以外の言葉も無いのです。最近派手なのだとDeNAが始めたウェルクというサイトがデマだけには飽き足らず、関連記事をパクってしかも改変して、しれっと掲載しているということで炎上していたりします。

こうしたインチキ健康情報に踊らされないようにするための、心得というか簡単な判別法に関して今回はまとめておこうと思います。

まず、食品添加物に関して毒性に関しては気にする方がおかしいのです。特に食に関してはヒステリックになる人が多く、メーカーも多少の混入事件で製造ラインを止めて凄まじい損失、会社の損失だけならともかく、そのラインに行くべき材料さえも闇に消えているわけですから、俺が気持ちいいなら信じられない食品ロスもやむなしというのはいささかヒステリーが過ぎる気がします。

閑話休題話を戻しましょう。

インチキ情報のインチキさには非常にタイプが多くそれらをすべて潰す方法はありません。ただ直感的にこれは嘘だと勘ぐってもよいという線引きは存在します。

まず、どこどこの偉い(ないしはえらく見せるのが得意な)先生が何を言ってようが、「耳障り」が良いというものは疑うべきです。「○○は良く、××は駄目」「○×は××だから○○」といった単純明快で解りやすく、問題点を1つに集約しているものです。

タバコでさえ発がん性が100%保証されているかというとそうではなく、あくまでリスクが高くなると評価するのが本当なのです。タバコさえ吸わなければ癌にならない…なんてのはやはり嘘なので、それに類する××さえ食べていれば○○という話は信憑性は乏しいと言えます。

または、身近なもので今まで当たり前のものが毒であるという話。

例えばヤマザキパンには「FAO/WHO合同食品添加物専門家会議」(JECFA)で「遺伝毒性発ガン性物質」に指定されている臭素酸カリウムを使っている!! みたいな提灯記事です。

そういうものは大半がキャリーオーバーで、残留量は、もはや気にするのも馬鹿げたような物質が大半です。しかもすでにヤマザキパンでは使用を停止しているのに、それを知らずに平然と記事にしていたりと、その程度の連中が自分が注目されたいだけにそういった記事を作っているのが透けて見えてきます。

また、ジャンクフードは添加物だらけだから危険、食べたら死ぬみたいな記事もありますが、栄養面が最低なだけで、含まれている添加物が悪さをするわけではないのです。問題点が栄養面から添加物にすり替えられている時点で大きなミスリードです。

まぁ自分みたいな怪しい野郎がこんなまともな話をしなくちゃいけないのも馬鹿馬鹿しいですし、コンコンチキを信じろなんて微塵もアピールしませんが、今後ともこのメールマガジンでは、「これはひどい」というモノを見つけたらまた報告していこうと思いますので、よしなにでございます。

image by: Flickr

無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ
著者/くられ
シリーズ15万部以上の不謹慎理系書「アリエナイ理科ノ教科書」著者。別名義で「本当にコワい? 食べものの正体」「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 」などを上梓。学術誌から成人誌面という極めて広い媒体で連載多数。

(くまチューブ)