2017
08.31

住宅再建に県が新支援 仮設住民ら対象

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 県は、熊本地震で自宅を失い仮設住宅などに暮らす被災者を対象に、復興基金を活用した住まい再建の新たな支援制度を創設する。恒久的な住まいへの転居費用として1世帯10万円を助成。子育て世代や高齢者世帯に対する住宅ローンの利子助成も盛り込んだ。

 仮設住宅の約1万9千世帯に、親戚宅などに身を寄せている被災者を加えた約3万世帯の制度利用を想定。事業総額を約107億円と見込み、9月定例県議会に提出する2017年度一般会計補正予算案に第1弾として35億8千万円を計上した。

 原則2年間とされる仮設住宅の入居期限は来年6月から順次到来。期限内の転居を促すため、10月中にも県や市町村で申請受け付けを始める。既に新居に移った世帯もさかのぼって適用する。

 自宅の建設・購入・補修を目的とした住宅ローンの利子助成は、年収500万円以下の世帯(子育て世帯は700万円以下)が対象。850万円までの借入金に対し、利子分全額を一括で助成する。35年ローンの場合、約100万円の利子負担がなくなる。マンション購入なども対象となる。

 土地・建物を担保に借り入れ、生前は利子だけを返済していく「リバースモーゲージ制度」を利用する60歳以上の高齢者世帯にも、上限850万円の借入金に対し最大約100万円を一括助成。月々の利子返済額を20年間、公営住宅の最低家賃に相当する1万5千円程度に抑える計算だ。

 民間賃貸住宅への転居では、入居時にかかる不動産会社への仲介手数料や保証料などの初期費用分として、転居費用とは別に1世帯20万円を助成する。

 被災マンションの建て替え支援では、廊下や階段など共用部分の再建費用のうち、国や自治体の補助分を除いた所有者の負担分をさらに半額にする補助制度を新設した。

 30日、支援事業を発表した蒲島郁夫知事は「熊本地震の復興では被災者一人一人の心の復興が重要。生活拠点の再建を後押しし、地域コミュニティーの再生にもつなげたい」と語った。(並松昭光)


 1 義援金額(H29.8.10現在確認額)
日本赤十字社 28,277,029,991円
共 同 募 金 会 2,970,796,123円
熊  本  県 19,420,404,752円
合     計 50,668,230,866円
 この義援金は、国内外の多くの皆様から寄せられた善意を、日本赤十字社、共同募金会、熊本県がお預かりし、その全額を配分して、市町村を通じて被災された方にお届けしています。