2017
09.09

(34)水滸伝の入れ墨をしていた金正男は洪門のメンバーか?

Topic, 北朝鮮

 暗殺された金正男が入れ墨をしていた。彼の入れ墨は水滸伝がモデルだという。水滸伝の入れ墨をするのは一般に洪門である。彼は北朝鮮のお金の出入りを掌握していた。密貿易あるいは人の流れを金正男は掌握していた可能性がある。仮に彼が洪門員ではなくても、洪門の力を使っていた可能性は非常に高い。
 金正男を暗殺する可能性として、アメリカ、中国、北朝鮮もあり得る。台湾だってあるし、韓国も、イスラエルだってある。もう一つ、金正男がもし青幇を使っていたら、青幇に殺された可能性もある。なぜか? 青幇には絶対に破ってはいけない鉄則がある。これを破ったら、どんなことがあっても殺されるという鉄則がある。それはお金をごまかすことである。例えば、金正男が青幇を使ってお金の出し入れをやったとすると、青幇は利益を半分要求する。何があろうと折半である。この折半の原則を違えたら、青幇では死刑になる。したがって、北朝鮮、中国、アメリカ、韓国、イスラエル、台湾以外に青幇が金正男を殺した可能性があると考えている。(志波氏)
 もう一つの大問題は、日本である。日本人たちが、かってはこの幇に大きく関わっており、発言力もあって、世界の幇をコントロールできる位置にいた。しかし、今やどんどん勢力を失っている。青幇のことをマーティン・ブースと言う人が書いた「龍の系譜」と言う本があるが、これを読むと、青幇はヤクザと同じと思われるかもしれない。しかし、青幇はヤクザではない。その証拠に、蒋介石は青幇の大親分だった。第23代悟字輩と言う地位に就いた親分で、できたばかりの台湾、中華民国は、青幇員がこの政治の中に大きく関与していた。蒋介石の息子の蒋経国も青幇員である。また、台湾の場合、海軍は、ほぼ全員が青幇員だった。
 日本のヤクザと青幇、洪門は付き合いをしやすいのである。それでいながら、今この洪門や青幇とまともにお付き合いをしている日本の人間はきわめて少ない。僅かに旭琉会のトップ2人ぐらいである。旭琉会と言うのは沖縄の組織である。
 裏の世界の動きは、僅かだが、表の世界に影響を与える。問題は、11月にある中国共産党の第19回大会である。この党大会で、習近平は党中央政治局常務委員会を3人にすると言われている。今は7人いるが、胡錦濤政権時代は9人だった。習近平は。まだ独裁体制を構築していない。特に軍との間には隙間がある。習近平は長期体制を築くため、11月の党大会で中央常務委員会を習近平、李克強、王岐山の3人にすると言っている。然しながら、仮に北朝鮮が核実験を開始したら、こんなものは吹っ飛んでしまう。金正恩が訪中して、習近平と会談しない限り、習近平の立場はいよいよ危なくなってくる。世界は今、こういうことになっている。